ホンダ CBR250R(MC19型)は水冷四気筒の規制前45馬力(40馬力)エンジンを搭載したフルカウルのバイクです。CBR250RR(MC22)やNSRほどでもないですが相場が非常に高騰してきているバイクです。MC17やMC22とは違い、ダブルディスクではないといったことで不遇のモデルと言われていますが同じ超高回転型のエンジンを搭載し乗って楽しいバイクです。
今回は車両のレビュー、各種スペックの紹介やカスタムの紹介をしていきます。
CBR250R(MC19) 各種スペック・レビュー
カムギアトレーン採用の超高回転型エンジン
ホンダのCBR250R(MC19)は1988年から1989まで製造された250cc水冷四気筒のバイクです。
MC19の前のモデルはCBR250R(MC17)ハリケーンというバイクです。その為このMC19はハリケーン2、通称ニハリと呼ばれることもあります。
そしてMC19の後継となるバイクがかの有名なCBR250RR(MC22)、通称ニダボです。
当時は前述のMC17、MC22と比較するとあまり人気がなかったといえど軽い車重と規制前の45馬力のパワーで現代のスポーツバイク並みに速く、キャブ車でありながら燃費も30km前後(私の個体は)走る非常に優秀なバイクです。不人気の理由は諸説ありますがフロントブレーキがシングルディスクだったことのようです。
このバイクの魅力はそのスタイリングもさることながら、走らせてその気にさせてくれるサウンドにあると感じています。カムギアトレーンによる特徴的なメカノイズと超高回転型エンジンから発せられるF1サウンドが素晴らしいです。
モリワキフォーサイトマフラーを入れていますが上まで回すと圧倒される位めちゃくちゃ痺れるいい音です。
音だけとても早く感じますが実際の速度はそこまで出ていないことが多く、友人に運転させても興奮気味に「めちゃめちゃ楽しい」と言って乗っていました。
同じ250cc四気筒のバリオス1も所有していますが、乗っていて楽しいのは圧倒的にこっちです。
また、音だけ番長ですが250ccとしては速く、直線においての加速や最高速だけを見ると現行のCBR250RR(MC51)よりも上のようです。
今時のはやりの二気筒のバイクもいいと思いますが正直こういった四気筒バイクに乗ってしまうと、音という観点からは低排気量の二気筒にはあまり乗りたいと思わなくなるほどの魅力がこのバイクにはあります。※二気筒250ccのバイクも所有していますので二気筒の楽しさも解ります!
フルカウルなのに意外と姿勢も楽で足つきも良く乗りやすい
最近のSSやレプリカは前傾がきつく乗りずらいイメージが強いですがこのMC19は非常に乗りやすいのが特徴です。
MC22にも触れたことがありますが微妙にMC19の方が姿勢が楽です。
セパハンなのにそこまで前傾がきつくないので長距離も比較的楽ですし、今のバイクに比べとてつもなく低いシート高(なんと720mm)なので、身長が低い方や女性でも足つきがいいです。
低速スカスカ!?なんてことは全くない
よく250CCの四気筒は低速が弱いといいますが最低限はありますし、回して走ればいいだけなので不便さは感じていません。
ただやはり高速道路を走行する際などはどうしても250ccという排気量には限界があり、走れなくはないですが高回転エンジンがあだとなりずっと走っていると耳が痛くなってくるので超長距離の走破にはもっと大きいバイクを使用した方がいいです。
MC19を始めMC22(ニダボ)は中古相場が高すぎる
丸目二灯の懐かしい見た目も相まってMC22と共に未だに人気があるバイクであるMC19ですが状態のいいものを探すとびっくりする位高騰しています。
グーバイクなどではプレミア絶版をいいことにあまりにも現実と剥離した値段で売りに出されていますので、個人売買などを利用して直して乗った方が安上がりかもしれません。
ただこの時代のcbrをはじめ、後継のホーネット250などもダイヤフラム(バキュームピストン)など重要な部品が廃盤になってきているので、部品があって乗れるうちに乗ることをおすすめします。
CBR250R(MC19)諸元
全長/幅/高 | 2020/685/1075mm |
シート高 | 720mm |
車軸距離 | 1365mm |
車体重量 | 154kg(装) |
燃料容量 | 13L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒 |
総排気量 | 249cc(250c c) |
最高出力 | 45ps/15000rpm |
最高トルク | 2.6kg-m/10500rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前100/80R17(52H) 後140/70R17(66H) |
バッテリー | YTX7L |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 | CR9EH-9 |
推奨オイル | Honda純正ウルトラGP |
オイル容量 | 全容量2.7L 交換時2.2L フィルター交換時2.4L |
スプロケット | 前17|後54 |
チェーン | サイズ428|リンク136 |
車体新車価格 | 589,000円(税別) |
CBR250R(MC19) 現在のカスタム(主にブレーキ、マフラー等)
フロントブレーキ(ブレンボ・ラジポン導入)
MC19は後継のCBR250RR(MC22)ニダボとの大きな違いであるフロントブレーキディスクがシングル問題を解消するため、また加えて購入時のマスターシリンダー、キャリパー、パットの調子が良くなかったので総取り換えしました。ラジポンを使いたかったという理由もありますが(笑)
キャリパーとラジポン導入にあたっては以下のパーツを使用しました
【brembo】4ポットキャスティングキャリパー 40mmピッチ
【frando】 フランドー FMF130 ラジアルポンプ ブレーキ マスターシリンダー カラー:レッド / シリンダー径:Φ15(5/8)
ボルトオンブレーキホースキット フロント用 Sダイレクト アルミ ACパフォーマンスライン
TITANIUM64 ブレーキパッドピン・キャリパーブリッジボルトセット
ブレーキ系は他社種の流用も考えていましたが、結果的にこの構成にして大正解でした。
まずキャリパーですがブレーキといえばブレンボ!ということで購入しました。レース用の高いモデルではなく一つあたり3万しないキャリパーです。ラジポンとの相乗効果で純正片押し2POTに比べてはるかに止まります。
また社外キャリパーを取付ける際はポン付け出来ないのでキャリパーサポートというステーのようなものを付ける必要があります。
今回はネットやYouTubeの情報からCB400SF用のサポート流用しました。
ラジポンですがあまり聞かないであろうfrandoというメーカーのものです。
調べてみると台湾のメーカーで実績もあり評判はいいようです。
仕上げも悪くないですし目立った不具合もありません。
取付時に少々カウルと干渉しますがリザーブタンクのステーを少し曲げることで解決します。
ピストン径はゲイルスピードさんのラジポンの適切なシリンダー径を計算できるサイトで確認し購入しました。
ふにゃふにゃでもなくかっくんでもなく非常にちょうどいい、指一本でも止まれますしフィーリングが最高で無駄にブレーキをかけたくなるほど気持ちいい感触です。
各種ピンはチタン合金製のものにしました。電蝕効果で錆そうならやめようかと思っています。
パッドピンはまだいいですがブリッジボルトは間違ってもステンレスやアルミを使わないでください。
圧倒的に純正のボルトより強度がありませんので事故のもとになります。
リアブレーキ
リアキャリパー純正(OH)
各ブーツ・ピン等新品
デイトナ赤パッド
購入時から既にパッドが殆どなかったのでついでにオーバーホールしてもらい、パッドはデイトナの赤パッドにしました。普通に効くようになりました。
デイトナ製 水温系・電圧計の取り付け
このバイクは純正で水温計がついていますが納車時より不動でした。
恐らく水温センサーが壊れているということで交換を検討しましたが、水温センサーはタンクを外し、サーモユニットを外さないと交換出来ないところにあった為、サーモの予防交換のついでに水温も電圧も見れるモニターをつけることに決めました。
旧車ということで電気系・冷却水系のトラブルに気づきやすくなるということで着けるのをお勧めします!
今回はデザインと機能性、レビューからヨシムラのPRO-GRESSマルチテンプメータではなく
DAYTONA AQUAPROVA(アクアプローバ) HG TEMP METER
にしました。ヨシムラの方は電池駆動であるのに対しバッテリー駆動なので手間要らずです。ただこういうモニターもの特有の問題として反射して日中は少し見ずらいです。取り付け位置をなるべくアイポイントに近くしたので私の場合は問題ありませんでした。
取り付けはカウルミラーの取り付けボルトにホムセンステーを共締めしました。
マフラー モリワキフォーサイトマフラー
MC19ではダイシン、サンセイレーシング、MC22エキパイ流用からの各社MC22用スリップオンが有名ですね。個人的にはダイシンとサンセイのマフラー音がとても好きです。
自分のはヤフオク購入時から当時物の
モリワキフォーサイトマフラー(力こぶあり)
がついています。CBX400F等で有名なのかな?
バッフル内のウールが減っているので結構爆音ですがいい音です。
うるさいので歩行者に気づいて貰えますし追突予防になります。
各種整備後の納車から一か月のタイミングで追突されましたが(笑)
RC213V-Sカラーに全塗装
購入してから半年以上知らなかったのですが、”公道MotoGPマシン”、”リアルレーサーレプリカ”と名高いRC213V-Sというバイクのカラーにオールペンされていました。
最初はCBX風カラーかと思っていました…
428から520サイズのチェーン・スプロケに変更
純正では428サイズのチェーンを採用していますが現在あまり主流ではないのと部品の関係から520サイズに変更しています。428の方が細く軽いので加速という面でみれば恐らく純正サイズがベストだとは思います。
今後は純正部品の更なる廃盤に備える
現在は不具合無く乗れていますがいずれ、キャブレターのダイヤフラム・バキュームピストン、エアクリーナー、燃料ホース類がへたってくると部品が出ず大変な思いをすると思うので対策を考えていかなければならないと思っています。
ちなみに有名な発火問題の対策品「フューエルチューブセット:16955-KY1-315」が発売されましたが現在は欠品です…
各種リレーなどの電装類、イグニッションコイルはCB400SFなどのMP10流用、燃料ポンプ、ラジエーターホースやガソリンホース、ワイヤー類も予備パーツを集めている最中です。
これから何十年か先まで燃えることのないよう乗れたらと思います。
コメント
88(昭和、速度警告ランプ標準装備)を2台(白青、トリコ)所有しています。どちらも不動状態から仕上げました(純正基本に)。やはり、燃料ポンプと燃料ライン、タンクの錆(長期保管によるガソリン腐りが原因)、キャブ清掃、ブレーキ固着、ホイル色剥がれ、タンク鍵が開かないなど。同じ症状でした。1台は、上記のほかに、エンジンの水漏れとヘッドのボルトが折れていたためエンジン載せ替え、ラジエター交換(水温計が下がらない)、メーター交換(走行中速度メーターから異音で針が踊りました)しました。(修理は諦めませんでした。※中国製のポンプしか付けない悪質業者には屈しません。MC19が可哀そうで)どちらも仕上げ、3000キロ試走して不具合は解消しました。3年ほどかかりましたが、エンジンもあたりがでて、レッドゾーンまでしっかり回ります。外装は割れ色褪せなくきれいなのが救いです。ブレーキはホーネットに変えようかと思案中ですが。ブレンボサポートがあるとのことでびっくりです。(ZR750はブレンボにしてNC30並みに効く)10マンですか。でもかっこいいので魅力的ですね。昔懐かしく思い出し、レッドゾーン手前の伸びが昔のターボ車風でいいです。